臨床室
帝王切開術後に発生した腹直筋子宮内膜症の1例
三又 義訓
1
,
多田 広志
,
高橋 裕孝
,
西郷 峻瑛
,
佐伯 絵里
,
土井田 稔
1岩手医科大学 整形外科
キーワード:
筋疾患
,
MRI
,
子宮内膜症
,
術後合併症
,
帝王切開術
,
針生検
,
腹直筋
,
腹部CT
Keyword:
Biopsy, Needle
,
Cesarean Section
,
Endometriosis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Muscular Diseases
,
Postoperative Complications
pp.646-649
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016307922
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38歳(1妊1産)。腹痛を主訴とした。子宮内膜症の既往があり、帝王切開術後3年経過してから月経時に増悪する腹痛が出現し、初診時には腹直筋内に圧痛を伴う弾性硬の腫瘤を触知した。腹部CTでは左腹直筋内に腹直筋とほぼ等吸収値を示し、造影剤で淡く造影される腫瘤を認めた。腹部MRIで腹直筋内にT1強調画像とT2強調画像で等~高信号が混在する辺縁不明瞭な腫瘤(20×25×40mm大)を認めた。Gd造影で腫瘤は強い造影効果を示した。臨床経過および画像所見より腹壁子宮内膜症が疑われ、経皮的針生検により診断を確定して腫瘍摘出術を行った。腫瘤は帝王切開の手術瘢痕から離れた腹直筋内に発生しており、その要因として帝王切開の術式が考えられた。術後8ヵ月現在、月経に伴う腹痛や再発は認めていない。
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