臨床室
指神経損傷に対して静脈ラッピングを行った1例
本間 龍介
1
,
佐竹 寛史
,
丸山 真博
,
長沼 靖
,
高木 理彰
1山形大学 整形外科
キーワード:
自家移植
,
ガングリオン
,
手指
,
術後合併症
,
神経検査
,
穿刺
,
疼痛測定
,
神経系外傷
,
視覚アナログ尺度
,
Tinel徴候
,
指神経(手)
,
神経剥離術
,
皮静脈
Keyword:
Fingers
,
Pain Measurement
,
Neurologic Examination
,
Postoperative Complications
,
Punctures
,
Transplantation, Autologous
,
Trauma, Nervous System
,
Ganglion Cysts
,
Visual Analog Scale
pp.539-541
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016299855
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32歳女性。7年前に右中指ガングリオンに対し近医で穿刺を受け、2年前に再発、3度目の穿刺を受けたところ、激痛とともに皮下出血が出現し、痛みが持続した。今回、1ヵ月前より同部位に4度目の腫瘤再発と激痛を生じ、根治的治療を目的に著者らの施設へ受診となった。所見では右中指基節部掌尺側に直径5mmで、弾性硬の腫瘤が認められた。また、腫瘤直上にはTinel徴候がみられ、SWTでは右中指と環指に著明な触覚低下がみられた。以上より、本症例は右中指尺側指神経近傍に出現したガングリオン穿刺後の指神経損傷と診断され、ガングリオン摘出と神経剥離後に静脈ラッピングを行った。その結果、術後6ヵ月の時点で、疼痛はVASで術前の100mmから術後10mmと改善、SWTでは触覚低下の改善がみられた。尚、Quick-DASHは機能障害/症状スコアとも改善し、患者の満足度も高かった。
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