臨床室
複数指にみられた外傷のない伸筋腱脱臼の1例
岩田 勝栄
1
,
神田 俊浩
,
大井 宏之
,
向田 雅司
,
鈴木 歩実
1国立病院機構南和歌山医療センター 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
腱損傷
,
指伸筋
,
脱臼
,
中手指節関節
,
縫合法
Keyword:
Joint Dislocations
,
Metacarpophalangeal Joint
,
Suture Techniques
,
Tendon Injuries
,
Range of Motion, Articular
pp.26-28
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136611
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34歳男。左示指・中指・環指の疼痛、伸展困難を主訴に当科を受診した。初診時、明らかな外傷歴は認めなかったが、手指屈曲時にMP関節で伸筋腱の尺側脱臼がみられた。本症例では痛みとADL障害のため手術適応と判断した。手術所見では示指・中指・環指それぞれの矢状索に菲薄化・弛緩が確認されたことから、MichonとVichardの方法に準じて伸筋腱の一部を利用して矢状索の制動術を行った。術後約6ヵ月で全指とも伸筋腱の再脱臼を認めず、MP関節の可動域制限もみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016