臨床室
下肢多発骨折後に発症した下腿難治性潰瘍を伴う外傷後尖足拘縮の1例
田中 達也
1
,
栗田 和宏
,
冨永 亨
,
吉田 正弘
,
神里 晋
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 整形外科
キーワード:
コンパートメント症候群
,
X線診断
,
アキレス腱
,
下肢外傷
,
下肢潰瘍
,
関節可動域
,
骨髄炎
,
骨折
,
内固定法
,
術後合併症
,
尖足変形
,
筋皮弁
,
広背筋
,
腱切り術
,
骨折-多発性
Keyword:
Fractures, Multiple
,
Achilles Tendon
,
Compartment Syndromes
,
Equinus Deformity
,
Fracture Fixation, Internal
,
Leg Injuries
,
Leg Ulcer
,
Osteomyelitis
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Range of Motion, Articular
,
Fractures, Bone
,
Tenotomy
,
Myocutaneous Flap
,
Superficial Back Muscles
pp.35-37
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136613
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42歳男。高速道路をトラックで運転中に別のトラックに追突し、当院救急搬送となった。初診時X線所見より左大腿骨転子部・骨幹部骨折、左脛腓骨骨幹部骨折と診断し、受傷当日に緊急内固定を施行した。受傷翌日に下腿部コンパートメント症候群を発症したため、下腿部減張切開を施行した。左下腿減張切開部は植皮手術を術後6週に行ったが生着せず、難治性潰瘍を伴う外傷後尖足拘縮をきたしたため、受傷後6ヵ月に難治性潰瘍の切除と尖足拘縮の矯正手術を行い、難治性潰瘍切除部と足関節後方部には遊離広背筋皮弁を移植して閉創した。移植皮弁は完全生着し、術後7ヵ月の時点で良好な足関節可動域が得られ、独歩可能となった。なお、術直後から認められた足底部の感覚異常は、2点識別法による静的および動的触覚検査で痛覚脱失しており、感覚障害が残存した。
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