発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002046383
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6歳男児.発熱と左股関節痛により歩行困難となり他院に入院し,左股関節穿刺と血液培養の両方でA群溶連菌が検出された.化膿性股関節炎を疑われ抗生剤を投与されたが股関節痛が改善せず,イレウス様症状も出現したため紹介入院となり,画像所見から化膿性股関節炎と腸腰筋膿瘍の合併と考え,緊急手術を施行した.手術では,関節内に少量の黄色漿液性貯留液がみられたが,軟骨異常,骨頭変形はみられなかった.腸腰筋を分け骨盤内壁にそって進入したところ多量の排膿がみられ,術後はA群溶連菌に感受性の強いビクシリンの点滴投与と酸性水による創部洗浄により閉創し,約2ヵ月で退院となった.退院約3週間後から股関節痛とX線像上で軽度の骨頭側方化を認めたため外転免荷型装具を装着した.その後,骨頭変形を生じ,骨頭の側方化が進行したため,約3ヵ月半後に左大腿骨内反骨切り術を施行した.第2回手術後1年10ヵ月の現在,骨頭の球型度は保たれて疼痛もなく,可動域も良好である
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