発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139704
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症例1:35歳男。競艇選手で、ボート旋回中に足関節背屈・外反位で踏ん張り、足関節外側部の疼痛と引っかかり感を生じた。MRIのT2強調像で上腓骨筋支帯は骨膜と共に外顆から剥離し、仮性嚢を形成していた。T2*強調画像では短腓骨筋腱は扁平化し、長腓骨筋腱の前方に偏位していた。腓骨筋腱脱臼および短腓骨筋腱縦断裂を疑い、手術を施行した。短腓骨筋腱は約4cmにわたり縦断裂して3枝に分かれ、中央の断裂片を切除した後に結紮縫合して管状に形成し、上腓骨筋支帯は外顆後外側縁に縫着し骨膜で補強した。症例2:19歳男。バスケットボール中に転倒して右足関節を捻り、後外側部に引っかかり感が出現した。画像所見は症例1と同様で、手術所見では短腓骨筋腱が下腓骨筋支帯から近位へ約7cmにわたり縦断裂し、断裂部の結紮縫合と上腓骨筋支帯の縫着・補強を行った。症例1は術後2年6ヵ月、症例2は5年経過し、疼痛や再脱臼はなく競技に復帰している。
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