発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153664
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
13歳男.2003年夏頃,サッカー練習後外傷誘因なく右足関節内側痛が出現し,約1ヵ月後に突然右足関節ROM制限を認めた.自分で前足部を持ち足関節を回すとROM制限が一時的に改善することがあったが症状が継続するため4ヵ月後に受診した.同年代の健常児と比較すると,後頸骨筋腱溝の低形成を認めた.以上より,後頸骨筋腱脱臼と診断し,2003年12月に手術を行った.後頸骨筋腱の支帯に断裂はみられなかったが,全体が非薄化し弛緩していた.後頸骨筋腱は恒常的に内果を乗り越え前方に脱臼しており,外がえし運動が制限され,肥厚,扁平化していた.肥厚した後頸骨筋腱の一部をくり抜くように切除し腱を細くし,長趾屈筋腱の支帯をいったん切離,翻転し,後頸骨筋腱の支帯とともに長趾屈筋腱をおおい0号サージロンで内果に縫着した.術後4週間のギプス固定を行い関節ROM訓練を開始し,術後8週で関節ROM制限なく外がえし運動が可能となった.術後1年6ヵ月後現在痛み,ROM制限なくサッカーを続けている
©Nankodo Co., Ltd., 2006