臨床室
胸椎偽腫瘍により下半身麻痺をきたした1例
島岡 宏行
1
,
松井 智裕
,
松村 憲晃
,
桝田 義英
1大淀町立大淀病院 整形外科
キーワード:
Methotrexate
,
Sulfasalazine
,
Steroids
,
下肢
,
関節リウマチ
,
胸椎
,
MRI
,
鑑別診断
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
経口投与
,
麻痺
,
偽腫瘍
Keyword:
Administration, Oral
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Diagnosis, Differential
,
Methotrexate
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Paralysis
,
Sulfasalazine
,
Steroids
,
Spinal Diseases
,
Thoracic Vertebrae
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Lower Extremity
pp.23-25
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136610
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59歳男。2005年に関節リウマチを発症し、MTX、SASP長期服用中で、2012年10月下旬より両下肢の脱力、両鼠径部~末梢のしびれが出現したため同年11月上旬に当科を受診した。MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で高信号に描出される腫瘍によって椎弓と棘突起は破壊され、胸髄が強く圧排扁平化していた。PETでは胸椎レベルに集積像を認め、CTではTh8の椎弓を中心に溶骨化した椎弓と棘突起を認めた。臨床経過および病理組織所見より胸椎偽腫瘍による脊髄麻痺と診断し、SASP、MTXを中止し、ステロイド投与を開始した。治療により脊髄麻痺症状は改善し、独歩可能となり、7週間後のCTで偽腫瘍の消失が確認された。その後、関節リウマチの症状が再燃したものの、ステロイドと再開したSASP、MTXの投与により良好にコントロールされている。
©Nankodo Co., Ltd., 2016