発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154779
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2002年までの過去16年間に著者らの施設の全肺癌患者(1813例)で骨転移を認めた180例中,脊椎転移を認めた130例を対象に,脊椎損傷頻度・病理組織・治療および予後について検討した.その結果,組織別では腺癌95例(73.1%),扁平上皮癌19例(14.6%),小細胞癌14例(10.8%),大細胞癌2例(1.5%)で,脊髄転移部位はTh10,Th11,Th12,L1,L4に多くみられた.脊髄転移と診断されてからの平均生存期間は4.9ヵ月で,各組織別では小細胞癌5.0ヵ月,腺癌4.9ヵ月,扁平上皮癌4.7ヵ月,大細胞癌0.6ヵ月であり,3年以上生存した症例は2例のみで4年以上の生存例はなかった.治療法は放射線56例,放射線+抗癌薬1例,抗癌薬14例,手術2例,手術+放射線3例,無治療17例で,治療群と無治療群の生存期間比較では治療群(5.3ヵ月),無治療群(2.0ヵ月)と治療群が有意に予後良好であった.脊髄損傷例は29例(22.3%)で,脊髄転移診断後の累積脊髄損傷発生率は12ヵ月までで30%であった
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