経験と考察
手根管症候群に対する術前からのワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液投与の有効性の検討
見目 智紀
1
,
岩倉 菜穂子
,
小沼 賢治
,
高平 尚伸
,
加藤 義治
,
高相 晶士
1北里大学 整形外科
キーワード:
活動電位
,
手根管症候群
,
術後痛
,
術前管理
,
経口投与
,
分散分析
,
臨床試験
,
治療成績
,
Neurotropin
Keyword:
Administration, Oral
,
Action Potentials
,
Analysis of Variance
,
Carpal Tunnel Syndrome
,
Clinical Trials as Topic
,
Pain, Postoperative
,
Preoperative Care
,
Treatment Outcome
,
Neurotropin
pp.615-619
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015335332
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正中神経領域のしびれ・痛みを主訴に受診となり、手根管症候群と診断された患者のうち、拇指球の萎縮を認める患者、また複合筋活動電位の遠位潜時7.0ms以上で、しびれ・痛みが強く、3ヵ月以上の保存的治療に抵抗性を認め手術を希望した患者を対象に、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液の投与を行ない、有効性について検討した。方法はワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液内服群18例(男性7例、女性11例、手術時平均年齢67.3±14.3歳)21手を、平均4週間内服後に手根管開放術を施行し、非内服群19例(男性6例、女性13例、68.1±10.7歳)19手と比較した。その結果、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液内服群では非内服群と比べより早期に有意な機能改善がみられた。具体的には内服により患者は術前から50%のしびれの改善が得られていた。以上より、手根管症候群に対する手術においてワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液による先取り鎮痛により術後は早期から機能改善が得られるものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015