発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015265134
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著者らの施設で腰椎固定中にCortical bone trajectory(CBT)法によりスクリューの挿入トルク値を測定した53例192椎弓根(男性23例、女性30例、年齢24~88歳、平均年齢62±15.5歳)を対象にスクリュー刺入位置による固定性の違いについて検討した。疾患の内訳は変性すべり症が33例、椎間板症が5例、椎間板ヘルニアが5例、腰椎脊柱管狭窄症が3例、変性側彎症が2例、その他が5例であった。また、スクリュー挿入高位の内訳はL1が6椎弓根、L2が7椎弓根、L3が29椎弓根、L4が81椎弓根、L5が69椎弓根であった。一方、CBT法の刺入点は椎弓根を時計に見立てた際の左側の椎弓根の5時、右側の椎弓根の7時の位置で、軌道方向は外方角8~9°、上方角25~26°であった。以上、これらのことを踏まえて、径5.5×30-40mmスクリューの挿入時の最大トルク値を測定した結果、1)固定性に寄与する因子としては最大トルク値は大腿骨頸部骨密度(BMD)、年齢、スクリュー刺入部の皮質厚と有意な相関関係が認められ、スクリューと椎弓根下縁の接触距離、刺入部から椎弓根下縁までのスクリュー長、上方角についても相関傾向が認められた。2)これらの因子についてスッテプワイズ重回帰分析を行なったところ、BMD、スクリュー刺入部の皮質厚、スクリューと椎弓根下縁の接触距離が最大挿入トルク値に影響する独立した因子であった。
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