経験と考察
腰椎化膿性脊椎炎に対する椎間板注射療法後の遺残腰痛と椎間板高の変化
柴山 元英
1
,
伊藤 不二夫
,
三浦 恭志
,
中村 周
,
河野 宗平
,
貝沼 慎悟
1あいち腰痛オペクリニック
キーワード:
Cephalosporins
,
C-Reactive Protein
,
Vancomycin
,
X線診断
,
脊椎内投与
,
椎間板
,
疼痛測定
,
内視鏡法
,
白血球計数
,
針生検
,
腰椎
,
腰痛
,
治療成績
,
細菌培養
,
椎弓形成術
,
血液培養
,
脊椎炎-化膿性
Keyword:
Blood Culture
,
C-Reactive Protein
,
Biopsy, Needle
,
Cephalosporins
,
Endoscopy
,
Intervertebral Disc
,
Leukocyte Count
,
Injections, Spinal
,
Lumbar Vertebrae
,
Pain Measurement
,
Radiography
,
Vancomycin
,
Treatment Outcome
,
Low Back Pain
,
Laminoplasty
pp.407-411
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015265135
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腰椎化膿性脊椎炎の診断にて椎間板注射療法を行った20症例(男性14例、女性6例、年齢23~83歳、平均年齢68.0歳、経過観察期間4~50ヵ月、平均27.5ヵ月)における遺残腰痛と椎間板高の変化について検討した。尚、罹患レベルはL1/2が2例、L2/3が3例、L3/4が3例、L4/5が10例、L5/S1が2例であった。その結果、1)発症から初診までの期間は3~64日(平均19.0日)で、初診時平均WBCは12600/μl、平均CRPは15.0mg/Lであり、21G針による椎間板生検を行った17例中12例で起因菌が同定できた。2)血液培養では17例中8例で同定でき、MSSAが4例、MRSAおよびB群溶連菌が各2例、表皮ブドウ球菌・肺炎球菌・大腸菌・その他が各1例で結核菌はなかった。3)局所注射療法は平均6.8回(1~12回)、抗菌薬点滴の全身投与期間は平均36.0日(14~63日)であり、抗菌薬は多くの症例で第1、第2世代のセフェム系を、MRSA例にはバンコマイシン塩酸塩を用い20例全例で感染は鎮静化した。4)手術は2例(後方開窓術、内視鏡下後方除圧術)で行われていたが、もともと治療中であった膀胱癌と肝細胞癌の2例が4ヵ月以内に死亡していた。5)18例における腰痛の最終成績は優が12例、良が3例、可が2例、不可が1例であった。一方、初期2ヵ月における椎間板高は保持が10例、1段階悪化が5例、2段階悪化が2例、3段階悪化が2例であった。
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