発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036249
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4歳女児.左中指の腫瘤と変形を主訴とした.左中指近位指節間関節橈側に軽度圧痛を伴う腫瘤を認めた.また,尺側への約10°の側屈変形も認めた.単純X線では,腫瘤のある部位に4×5mmの石灰化陰影を認めた.腫瘤の増大傾向および尺側変形の増大がみられたため,腫瘤摘出術を行った.腫瘤は横支靱帯と関節包の間に存在し,側索を背側に押し上げていた.周囲との明らかな癒着はみられず,内容物は白色粘液状であった.病理学的には,線維芽細胞と膠原線維による被膜内部に,軽度に青く染色された易乾燥性の石灰化粒を認めた.手術所見,病理組織所見より腫瘍状石灰沈着症と診断した.術後腫瘍の残存は認められず,尺屈変形も5°に改善された
©Nankodo Co., Ltd., 2005