臨床室
骨端線損傷後の近位指節間関節形成障害に対して血管柄付き有頭骨骨軟骨移植術を施行した1例
頭川 峰志
1
,
長田 龍介
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
手指関節
,
成長板
,
X線CT
,
軟骨
,
有頭骨
,
血管柄付き骨移植
,
骨軟骨移植
Keyword:
Cartilage
,
Finger Joint
,
Growth Plate
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Capitate Bone
pp.639-642
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014367655
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29歳男。3歳時に右中指開放骨折および伸筋腱損傷を受傷し、成長に伴い近位指節間(PIP)関節の尺屈変形が進行し、17歳時に基節骨の矯正骨切り術を受けた。しかし、その後再び尺屈変形が出現し受診された。中指PIP関節で30°の尺屈変形を認め、可動域(ROM)は伸展-30°、屈曲90°と伸展不全を認めた。機能面、整容面の改善を目的とし、低形成である基節骨頭尺側の再建術として、血管柄付き有頭骨骨軟骨移植術を施行した。側副靱帯を基節骨側の起始で切離し、関節内瘢痕を除去後にヒンジ付き創外固定で矯正した。8×5×5mmの骨軟骨欠損に対し、第3背側中手動脈を血管柄とした有頭骨骨軟骨移植を行った。移植骨はAcutrak 2 microで固定し、切離した側副靱帯は移植片に残した靱帯成分と縫合した。創外固定を併用し、術直後より自動ROM訓練を開始し、術後3週で創外固定を抜去した。術後1年で疼痛、不安定性はなく、PIP関節のROMは伸展-20°、屈曲90°と良好である。
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