発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013257554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
56歳男。左母指指関節(IP)の腫脹・疼痛を主訴とした。初診時は軟部組織の軽度腫脹を認めるのみであったが、1年後同部位に淡い石灰化陰影と基節骨頭部にびらんを認めた。MRIでは母指IP関節部の高信号域の中に点状の低信号域を多数認め、母指末節骨と基節骨髄内にも高信号域を認めた。母指IP関節に発生した滑膜性軟骨腫症の診断で関節鏡併用滑膜切除および遊離体切除を行った。関節包を切開すると半透明で粒状の遊離体が無数に流出し、さらに光沢ある径2~3mmの白色遊離体を3個摘出した。遊離体は硝子軟骨の小結節性増生がみられ一部石灰化も認めたが骨化は認めず、滑膜は滑膜炎の所見であった。左母指IP関節部の疼痛は術後速やかに消失し、MRIでは高信号域が消失した。1年経過して再発は認めず経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013