経験と考察
肩腱板断裂および肩関節拘縮手術例に対するトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠の使用経験 肩の痛みに対する新たな選択肢
橋本 卓
1
,
原田 洋
,
諸岡 孝明
,
木村 岳弘
,
増田 祥男
,
諸岡 正明
1正明会諸岡整形外科病院・諸岡整形外科クリニック
キーワード:
質問紙法
,
嘔吐
,
悪心
,
肩関節
,
関節鏡法
,
めまい
,
拘縮
,
糸球体濾過率
,
術後痛
,
回旋筋腱板
,
後向き研究
,
治療成績
,
年齢分布
,
肩腱板損傷
,
Tramadol-Acetaminophen
Keyword:
Rotator Cuff Injuries
,
Arthroscopy
,
Contracture
,
Glomerular Filtration Rate
,
Pain, Postoperative
,
Nausea
,
Surveys and Questionnaires
,
Shoulder Joint
,
Retrospective Studies
,
Vertigo
,
Vomiting
,
Treatment Outcome
,
Rotator Cuff
,
Age Distribution
pp.1028-1033
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015018762
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対象は86例(男48例、女38例、平均年齢63.0歳)で、そのうちトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠(TRAM/APAP)を投与した67例中10例(14.9%)は嘔吐・吐き気・めまいなどの副作用で中止し、47例(70.2%)でTRAM/APAPが効果ありと判定できた。夜間痛が存在した76例中54例(71%)で夜間痛が消失したが、TRAM/APAP使用群の方が消失の割合が高かった。腱板断裂群の方が肩関節拘縮群に比べてTRAM/APAPの効果ありの症例の割合が高かった。術後日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準および疼痛スコアの改善率はTRAM/APAP使用群の方が高かった。腱板断裂および肩関節拘縮術後、痛みがQOLの改善や後療法などを妨げているのであれば、TRAM/APAPなどのオピオイド鎮痛薬を補助的に使用することは有用であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014