経験と考察
運動器慢性疼痛に対するトラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合錠の有効性と安全性の検討
古志 貴和
1
,
杉山 宏
,
中村 順一
,
大鳥 精司
,
小谷 俊明
,
高橋 和久
1国立病院機構千葉医療センター 整形外科
キーワード:
嘔吐
,
悪心
,
脊椎骨折
,
脊柱管狭窄
,
椎間板ヘルニア
,
疼痛測定
,
経口投与
,
便秘
,
治療成績
,
骨折-圧迫
,
視覚アナログ尺度
,
慢性疼痛
,
傾眠
,
Tramadol-Acetaminophen
Keyword:
Administration, Oral
,
Constipation
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Pain Measurement
,
Nausea
,
Spinal Stenosis
,
Vomiting
,
Treatment Outcome
,
Spinal Fractures
,
Fractures, Compression
,
Chronic Pain
,
Visual Analog Scale
pp.611-616
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274344
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2011年9月~2012年4月に受診し、運動器疾患による痛みがあり、前治療(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗癲癇薬、抗鬱薬など)にも関わらず4週間以上痛みが持続している患者または初診時4週間以上痛みが持続している患者を対象に、トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合錠(TRAM/APAP)を投与し、有効性、安全性について検討した。TRAM/APAPは運動器慢性疼痛患者の83.5%に鎮痛効果を示し、73.9%でやや満足以上の回答を得た。4錠以上が治療域と考えられ、著効例の85%が6錠または8錠までに増量した例であった。神経の可塑性変化が起きる前の急性疼痛が遷延化した慢性疼痛の早い時期から治療を開始すると著効が得られやすいことが示唆された。副作用発現率は51.8%、副作用で投与中止した症例は9.4%あったが、依存・濫用は認めなかった。TRAM/APAPは忍容性に優れ、厳重な経過観察を行えば、運動器慢性疼痛に対し安全に使用できると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013