経験と考察
トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合錠投与初期の嘔気に対する制吐薬の効果 既存対照群との比較
阿部 泰之
1
,
猪川 輪哉
,
恒川 博巳
,
熱田 裕司
1旭川医科大学附属病院 緩和ケア診療部
キーワード:
Metoclopramide
,
嘔吐
,
悪心
,
制吐剤
,
疼痛測定
,
経口投与
,
臨床試験
,
治療成績
,
視覚アナログ尺度
,
慢性疼痛
,
Tramadol-Acetaminophen
Keyword:
Administration, Oral
,
Antiemetics
,
Clinical Trials as Topic
,
Metoclopramide
,
Pain Measurement
,
Nausea
,
Vomiting
,
Treatment Outcome
,
Chronic Pain
,
Visual Analog Scale
pp.21-25
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169989
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変形性関節症または腰痛症に伴う慢性疼痛に対するトラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン合剤(TRAM/APAP)投与開始時に制吐薬を併用した35例の嘔気発現率を既存対照群と比較検討した。制吐薬にはメトクロプラミド錠を使用した結果、TRAM/APAP+制吐薬併用群の嘔気出現率は17.1%で、既存対照群の45.1%と比較して有意な低下を認め、嘔気の重症度は、TRAM/APAP+制吐薬併用群が既存対照群に比べより軽度であった。眠気発現率は60%、便秘を42.9%で認めたが、ほとんどの患者は軽度であり日常生活に支障はなかったことからも、本試験により、TRAM/APAP開始時における制吐薬併用の必要性について示唆が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014