臨床室
創外固定中にハーフピンを指標として回旋変形を治療した小児大腿骨骨幹部骨折の1例
原田 紀子
1
,
原田 将太
,
高木 基行
,
竹中 信之
,
渡部 欣忍
,
松下 隆
1帝京大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
回転
,
骨折固定法
,
大腿骨骨折
,
X線CT
Keyword:
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation
,
Radiography
,
Rotation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
External Fixators
pp.437-441
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014255387
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8歳1ヵ月男児。スキー中に転倒して受傷し、近医で右大腿骨近位骨幹部骨折の診断で創外固定後に加療継続目的で搬送された。両下肢を自然に伸ばした状態にすると、右側で膝蓋骨の位置が内旋位にあり、足部が内旋していた。X線学的に受傷時の骨折は右大腿骨近位骨幹部骨折で、螺旋骨折の近位端は小転子近くに達した不安定型骨折であった。単支柱型創外固定器で固定され、径5mmのハーフピンが近位2本、遠位3本に刺入されていた。X線像では整復位は良好にみえたが、身体所見から骨折部で遠位骨片が30°以上内旋している可能性を疑いCTを撮影したところ、遠位骨片が近位骨片に対し約35°内旋していた。許容できない回旋転位が残存していると判断して観血的に矯正することとし、近位ハーフピンの後外側に骨端線を避けて2本のハーフピンを設置した。追加した近位ハーフピンと遠位のハーフピンが平行になるようにし、単支柱型創外固定器で固定した。術後1年の現在、骨癒合は良好で、股関節の内・外旋角度に左右差は認めていない。
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