発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006180379
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21歳男.2003年12月にフォークリフトの下敷きとなり受傷した.右肩から前胸部にかけて強い腫脹がみられ,受傷時単純X線および胸部CTでは右肩甲骨の外側偏位,右胸鎖関節脱臼,肺挫傷,外傷性気胸などがみられた.気管支断裂の診断のもと気管支縫合術を行い,術直後の血管造影にて右鎖骨下動脈起部で造影剤が断裂と漏洩が認められた.その後,徐々に右上肢の阻血性壊疽が前腕までチアノーゼも上腕中央まで進行した.さらにCPK上昇により挫滅症候群を疑い,同年12月下旬,上腕での切断術と右胸鎖関節脱臼に対する観血的整復術を行い鋼線で固定した.2004年1月に気管支縫合部における狭窄が増強したためステント留置術を行った.術後発熱し右上腕断端深部膿瘍が認められたため,骨接合3日目に切開排膿を行った.その後の経過は良好で,同年5月初旬に退院し,8月初旬に鋼線を抜去した.術後11ヵ月現在右胸鎖関節の整復位は良好で肺野の異常所見は認められず,右肩甲骨の外側偏位はほとんどみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2006