臨床室
軟部腫瘍と鑑別を要した落下胆石による後腹膜腔・腹壁膿瘍の1例
中野 健二
1
,
中島 浩敦
,
伊藤 茂彦
,
杉浦 英志
,
小西 滋
1岐阜県立多治見病院 整形外科
キーワード:
後腹膜腔
,
鑑別診断
,
X線CT
,
軟部組織腫瘍
,
腹部膿瘍
,
胆石
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Retroperitoneal Space
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Abdominal Abscess
,
Gallstones
pp.949-952
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014369929
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
75歳男。右背部痛および背部腫瘤を主訴とした。腫瘤はMRIのT1強調像で中等度信号、T2強調像で高信号を呈し、造影CTでは内部に造影効果を認め、PET-CTにてFDGの強い集積を認めた。針生検の病理結果は炎症細胞であり、針生検部に形成された瘻孔を切開すると黄色調の滲出液と砂粒様の黒色結石が数個排出された。2年前の腹腔鏡下胆嚢摘出術の既往および術中胆嚢剥離の際に胆嚢壁を損傷し胆汁と胆石が漏出したとの手術記録から、落下胆石により発生した後腹膜腔膿瘍・腹壁膿瘍と最終診断した。発症から診断確定にいたるまで5ヵ月を要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014