経験と考察
脂肪肉腫におけるFDG-PET所見と病理組織所見および臨床所見の関連
鈴木 賀代
1
,
安田 剛敏
,
堀 岳史
,
渡邉 健太
,
金森 昌彦
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
脂肪肉腫
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
ネオアジュバント療法
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Liposarcoma
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Neoadjuvant Therapy
,
Positron-Emission Tomography
pp.219-223
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317163
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病理組織学的に脂肪肉腫(LPS)と診断され、治療前にポジトロン断層撮影法(FDG-PET)を施行した9例(男性2例、女性7例、初診時平均年齢65.1歳)を対象として、LPSにおけるFDG-PET所見と、病理組織所見および臨床所見の関連性について検討した。その結果、粘液型(MLPS)の標準摂取率(SUV)最高値(SUVmax)は、脱分化型(DLPS)や多形型(PLPS)と比較すると有意に低かった。LPSではFDGの集積は、WLPSやMLPSでは低く、DLPSやPLPSでは高い傾向が認められた。これらの組織亜型によるSUV値の差異は、病理組織学的および臨床学的悪性度を反映していると考えられた。また、MLPSのSUVmaxはDLPSやPLPSと比較し有意に低かった。SUVmaxとMIB-1 indexに有意な正の相関を認め、細胞増殖能が高い例ではSUVmaxは高くなると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014