臨床室
乳癌術後・放射線治療後の胸骨骨髄炎に対して有茎大網移植を行った1例
吉谷 純哉
1
,
山内 大輔
,
天谷 信二郎
,
天谷 奨
1福井県済生会病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
胸骨
,
骨髄炎
,
静脈炎-血栓性
,
乳房腫瘍
,
皮膚潰瘍
,
放射線療法
,
網
,
瘻孔
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Fistula
,
Osteomyelitis
,
Omentum
,
Radiography
,
Radiotherapy
,
Sternum
,
Skin Ulcer
,
Thrombophlebitis
pp.27-29
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169990
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症例は75歳女性で、1980年に左乳癌に対する根治的乳房切除術+放射線治療を受け、2008年に左鎖骨部に瘻孔を形成し、左鎖骨関節炎および胸骨・左鎖骨・第1肋骨の骨髄炎と診断され、胸骨・左鎖骨・第1肋骨の一部を切除した。今回、2011年4月に前胸部瘻孔からの出血・排膿、前胸部痛が出現し、救急搬送となった。入院時、前胸部に皮膚潰瘍と左第3肋骨部に瘻孔を認め、瘻孔からは出血があり、止血操作後膿性滲出液の排出が認められた。入院後、内服中のワルファリンカリウムを中止すると止血が得られたが、創部からは膿性の滲出液を認め、培養にてG群連鎖球菌、黄色ブドウ球菌が検出された。CT所見と併せて胸骨骨髄炎と診断し、抗生剤投与を開始したが排膿が持続するため、胸骨腐骨除去とともに皮膚潰瘍部を切除し、欠損部には有茎大網移植を行った。術後4ヵ月の現在、排膿や潰瘍などの再発は認めず、良好が経過が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014