経験と考察
乳幼児O脚の自然矯正における大腿骨遠位骨端核の骨化成熟の解析
村橋 靖崇
1
,
松山 敏勝
,
藤田 裕樹
,
山下 敏彦
1北海道立子ども総合医療・療育センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
大腿骨
,
内反膝
,
大腿脛骨角
Keyword:
Femur
,
Radiography
,
Genu Varum
pp.16-20
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169988
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乳幼児O脚のうち保存的に自然矯正が得られた27例52肢を対象として、大腿骨遠位骨端核の成熟度がO脚の矯正時期、矯正速度に与える影響について検討した。その結果、大腿骨の遠位骨端核の各骨化段階における大腿脛骨角(FTA)の変化では、骨化stage I-II間での改善率は平均0.8°/年であったのに対し、内側の点状骨化が出現するstage II-III間では平均11.1°/年と有意な改善を示した。一方、骨端核の大きさで評価したMEDでは骨端核が大きくなるに従いFTAは減少傾向にあり、MEDとFTAの間には負の相関関係がみられた。また、MEDが70%に達するまでのFTA改善率は平均0.08°/%であったのに対し、70%に達した後のFTA改善率は平均0.82°/%と70%を変曲点に有意に矯正が進んでいた。本検討では大腿骨の遠位骨端核における内側の点状骨化後、またはMEDが70%に達した後、自然矯正がすすんでいることが確認されたことから、正常発達に伴うO脚の自然矯正時期、矯正速度の指標として大腿骨の遠位骨端核の骨化熟成度が有用であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014