経験と考察
ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤の治療効果と副作用についての検討
山田 周太
1
,
北原 博之
,
安達 信二
,
崎村 俊之
,
矢部 嘉弘
1三菱長崎病院 整形外科
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
X線診断
,
質問紙法
,
関節水症
,
変形性膝関節症
,
架橋(生体高分子)
Keyword:
Hyaluronic Acid
,
Hydrarthrosis
,
Radiography
,
Surveys and Questionnaires
,
Osteoarthritis, Knee
pp.1267-1270
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014009491
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変形性膝関節症の治療としてヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー等配合の関節腔内注射を施行した60例を対象に、その治療効果と副作用について検討した。男性17例、女性43例で、平均72.3歳であった。その結果、初回投与後の除痛効果では、有効以上の効果を示した症例が55%であった。K-L分類別でみると、変形の軽度なgrade I・IIと重度なgrade III・IVの間で除痛効果に有意差はなかった。投与開始6週での除痛効果については、有効以上を示した症例が60%であった。更に初回投与後の判定にて不変であった19例中11例(58%)においても、6週後には除痛効果が得られた。疼痛以外に関節水腫、熱感を伴ったものを副作用ありと判定した場合、副作用は5例(8%)で認め、うち4例は局所麻酔薬の関節注射と局所安静による保存的治療で改善したが、1例は関節鏡視下デブリドマンを要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013