発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007157
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2歳8ヵ月男。1ヵ月前に自己転倒し、右下肢の疼痛が出現した。画像診断により大腿骨の骨腫瘍が判明したため、紹介受診した。2日目に転倒して右股関節痛のため歩行不可能となった。単純X線像で右大腿骨転子下に病的骨折を認めた。画像診断からは、線維性骨異形成や好酸球性肉芽腫などの良性または腫瘍類似病変に続発する二次性の動脈瘤様骨嚢腫、および悪性では骨肉腫、Ewing肉腫を鑑別診断に考えた。確定診断目的に切開生検術を施行した。迅速病理診断で好酸球性肉芽腫と診断し、可及的に病巣掻爬を行った。大腿骨転子部の病的骨折部の不安定性を認めたため、骨折部の鋼線固定を行った。術後2ヵ月で支持なしで独歩可能となった。術後5ヵ月の最終調査時では、右股関節痛は消失し、走行可能であった。単純X線像では大腿骨転子下に一部骨透亮像の残存を認めるが、病的骨折部の骨癒合は良好である。永久病理標本所見で、好酸球性肉芽腫と診断した。
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