発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003072500
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72歳女.約2年半前に,プレートによる内固定術を受けていた.約半年前より右膝付近の疼痛が強くなり,X線検査ではプレートの破損による偽関節を認めた.術前,両肺野や下肢に異常を認めなかった.骨セメントを注入し,ステム挿入直後に脈拍は82回/分から46回/分に減少し,血圧は120/60mmHgから49/19mmHgに低下し,SpO2は99%から70%まで低下した.昇圧薬の投与や心臓マッサージにより,血圧,脈拍,SpO2は上昇し,手術を再開した.術後の胸部X線像では両肺野に肺門部より末梢にかけて間質性の肺水腫様異常陰影を認めた.その後,播種性血管内凝固症候群状態に陥ったが,抗凝固療法と補助療法,および全身支持療法により,完全に回復し,術後3ヵ月の退院時の胸部単純X線像では両肺部のび漫性の浸潤像が消失していた.なお,露出した大腿骨コンポーネントの長さは11cmであった
©Nankodo Co., Ltd., 2002