発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007308724
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76歳女。左膝関節の人工膝関節全置換術直後より出現した左下腿の著明な冷感を主訴とした。左足背動脈は触知不能で超音波ドプラー法でも脈波は確認できず、左母趾で測定した経皮的酸素飽和度は80%と著しく低下していた。緊急に左大腿動脈より血管造影検査を行い、さらに膝窩動脈の選択的造影を行った結果、膝窩動脈の前・後脛骨動脈分岐部近位での狭窄と閉塞像、さらに後脛骨動脈の閉塞像を認めた。膝窩動脈の急性動脈閉塞症の診断で、抗凝固療法およびプロスタグランジンE1製剤の持続点滴を行った結果、発症後6時間で足背動脈の触知が可能となり、左下肢の知覚異常や運動機能障害も生じなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007