発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274346
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症例は9歳男児で、鉄棒から転落し、受傷し救急外来を受診した。単純X線で肘内側の軟部陰影の異常はあったが骨傷は認められなかった。肘上シーネ固定で保存的治療とした。痛みは徐々に軽減し保存的に経過をみたが、受傷後25日より誘因なく左肘の痛みが再度出現したため、受診し化膿性肘関節炎の疑いとなった。肘内側に発赤・腫脹があり、穿刺で血性の液体が引けたが陰性であった。MRIで内上顆を中心にT2強調画像で高輝度領域が認められた。骨折或いは化膿性肘関節炎の可能性を念頭に受傷後32日に手術を施行した。肘内側進入で血性粘稠性の液体の流出があり、培養は後日陰性と判明した。鋼線締結法にせずKirschner鋼線は7週で抜去した。術後13ヵ月で肘の不安定性はなく関節可動域は伸展-10°、屈曲140°と改善し、受傷前の生活レベルに復帰しているが、注意深い経過観察が必要と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013