発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274347
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は68歳男性で、自動車運転中にガードレールに衝突し搬送された。前腕近位部に開放創を認め、創洗浄およびデブリードマンを行い入院となった。右手関節背屈と中手指節(MP)関節伸展は不能で、下垂手が認められた。肘関節は屈曲110°、伸展-45°で、前腕は回内70°、回外0°といずれも可動域(ROM)制限が認められた。前腕近位正中に10cm挫創、その橈側に1cmの挫創が認められた。単純X線では肘関節周囲、手関節、上腕に骨折は認めなかった。開放創を伴う右橈骨神経麻痺であるため橈骨神経の状態を直視下に確認した。内反ストレスで肘関節の不安定性を認めlateral pivot shiftテスト(PLRIテスト)が陽性であった。後外側回旋不安定性(PLRI)と診断し、外側支持機構の修復を行った。外側上顆の靱帯付着部にステイタックアンカーを2本挿入し、靱帯と伸筋群を一塊として縫着した。術直後から肘関節装具を用い屈曲90°で伸展制限を行い、それ以上の屈曲は積極的にすすめた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013