発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014042063
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症例は55歳女性で、7年前より座位での右臀部痛と右大腿後面、下腿外側のしびれが出現し、近医にて右坐骨部の石灰化を指摘された。経過観察の後、半年前より症状の増加を認めた。MRI画像にて関節腔の後方にT2強調画像で高信号、T1強調強調画像で低信号を認め、Gd造影像では造影されない病巣を認めた。CT所見で骨化病変を認めたスライスでは、外閉鎖筋部にT2強調画像で一様に高信号を呈する滑膜炎様所見を認め、その中にT2強調画像で辺縁が低信号、内部が高信号の病変を認めた。以上の所見より、股関節内外に存在する滑膜骨化性病変と考え、坐骨神経刺激症状を認めたことから病巣切除術を施行した。病理組織所見にて滑膜性骨軟骨腫症と診断した。術後経過は良好で、坐骨部の痛みや右下肢のしびれは消失し、術後4ヵ月の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013