発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080241
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症例1:16歳女。テニスの際に右肩関節痛を自覚し、X線で右肩関節周囲に多数の小円形石灰化病変を認め、MRIではT2強調像で内部高信号、辺縁低信号を示した。鏡視下手術を施行し、2~10mmの遊離体を120個摘出した。病理組織は同心円状に増生した軟骨組織で、最外層は線維組織、中央部は硝子軟骨であった。術後症状は消失し、1ヵ月でテニスに復帰した。症例2:36歳女。右肩関節痛が生じ、腱板不全断裂の診断で保存的に加療されたが改善しなかった。X線で骨頭下の骨棘と関節裂隙の拡大を認め、MRIのT1強調像で肩関節腔および肩甲下滑液包内に内部不均一な低信号域、T2強調像で内部低信号域を伴う高信号の結節性病変を多数認めた。鏡視下に鋭匙鉗子を用いて2~15mmの白色半透明の軟骨片を145個摘出し、術後疼痛は消失した。症例3:67歳男。右肩関節痛と腫脹を自覚し、MRIのT2強調像で肩峰下滑液包に筋肉と等信号の遊離体を多数認めた。鏡視下に還流ポンプの圧力やシェーバーの吸引により300個の遊離体を摘出し、術後症状は改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010