臨床室
きわめてまれな有頭骨転移性骨腫瘍の1例
佐藤 栄一
1
,
萩野 哲男
,
落合 聡司
,
佐藤 信隆
,
安藤 隆
1山梨大学 整形外科
キーワード:
Morphine
,
X線診断
,
関節可動域
,
骨腫瘍
,
X線CT
,
経口投与
,
肺腫瘍
,
放射線療法
,
免疫組織化学
,
致死的転帰
,
有頭骨
Keyword:
Administration, Oral
,
Bone Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Morphine
,
Radiography
,
Radiotherapy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Fatal Outcome
,
Capitate Bone
pp.447-449
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211802
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80歳男。左手関節の疼痛・腫脹を主訴とした。肺癌治療中の患者であり、初診時には左手関節背側のびまん性の発赤・熱感・腫脹を認め、単純X線像では高度な手根骨の骨萎縮と有頭骨の骨破壊がみられた。CTでは有頭骨の骨破壊と融解像、手背部に膨隆する軟部腫瘍を認め、血管造影では橈骨動脈により栄養される膿瘍濃染像が描出された。有頭骨への転移を疑って生検術を行い、肺癌の転移と診断されたが、経過中に呼吸状態が急激に悪化し、有頭骨への放射線療法とモルヒネ塩酸塩水和物の内服により十分な除痛が得られたものの、肺癌進行のため約3ヵ月後に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013