臨床室
月状三角骨解離に対し月状骨摘出術を施行した1例
辻本 修平
1
,
谷口 泰徳
,
下江 隆司
,
吉田 宗人
1和歌山県立医科大学 整形外科
キーワード:
月状骨
,
手関節
,
手根骨
,
三角骨(手)
,
手根不安定症
Keyword:
Carpal Bones
,
Lunate Bone
,
Wrist Joint
,
Triquetrum Bone
pp.444-446
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211801
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74歳女。左手関節痛を主訴とした。約1年前より特に誘因なく主訴を自覚していたが、約5ヵ月前に土手で左手を突っ張った後から痛みが増大し、受診時には左手関節の運動痛と腫脹、月状骨部の圧痛、握力低下、手関節の可動域制限を認め、月状三角骨解離の誘発テストは全て陽性であった。X線像では手根アーチの不整、舟状骨のring sign、舟状骨および月状骨の掌屈、近位手根列掌側回転型手根不安定症(VISI)変形を認め、月状三角骨解離と診断した。VISI変形が不可逆的な慢性例であったが、患者はParkinson病を合併した高齢者であり、手を使う活動性が低いことから、痛みの原因である月状骨摘出のみを行ったところ、術後は手関節の腫脹や痛みは認めず、握力と関節の可動域制限は回復して患者の満足度は高かった。
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