発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149274
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三角線維軟骨複合体(TFCC)橈側大断裂を合併した掌側ロッキングプレート施行橈骨遠位端骨折9例(男2例、女7例、受傷時平均年齢58歳)の治療成績を調査した。9例中5例(男2例、女3例)は術後3週間の前腕回旋制限を行い(回旋制限群)、他の4例(全例女)は術翌日より自動運動を開始した(早期運動群)。X線形態計測の推移、自動関節可動域および握力の推移、手関節尺側部痛、術後平均26週の最終調査時の治療成績は両群間で有意差を認めなかった。その原因として、TFCC橈側大断裂に起因する遠位橈尺関節不安定性は比較的経度であることや、術後回旋制限だけでは損傷修復が起こらなかったことが推測された。TFCC橈側大断裂例に対する術後回旋制限は不要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008