発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146474
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25歳男性。患者は10歳時に屋外での転倒にて右手関節背屈強制で受傷し、接骨院でギプス固定された。今回、海上自衛隊入隊後、頻繁な右手関節使用で尺骨部痛が増強し、著者らの施設へ受診となった。所見では右手関節尺側に圧痛と尺骨頭の背側への膨隆を認め、関節可動域(ROM)は尺屈0°、掌屈60°と制限を認めた。また、X線では22mmのulnar plus varianceがみられ、健側に比べ橈骨は40mm、尺骨は18mmの短縮を認めた。一方、手関節鏡視では三角骨の尺側に径6mm程度の軟骨欠損が確認され、軟骨化骨が露呈していた。治療は尺骨遠位部を展開し、20mmの骨切り後にSmall Dynamic Compression Plate(DCP)で固定したが、前腕回旋運動で遠位橈尺関節の不安定性を認め、Kirschner鋼線で固定し、上腕から手関節のギプスシーネ固定とした。その結果、術後2週で鋼線を抜去してROM増強訓練を開始し、術後6ヵ月で尺屈30°、掌屈80°に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008