発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004248928
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73歳男.あぐらをかいた状態で右後方へ振り向いた際,右大腿筋近位部に疼痛を生じ,歩行不能となった.軽微ではあるが,明らかな受傷機転が存在し,25年来のRAであり,ステロイドを長期内服していることで骨脆弱性が基礎に存在した.坐位での体位変換による大腿骨長軸のねじれという軽微な外力によって,cement fractureおよび大腿骨骨幹部の螺旋骨折が生じたと考えられ,cement fractureに転位がなかったため,X線像上一見insufficiency fractureの様相を呈したものと考えられた.本例は現在,大腿部痛による歩行障害があり,単純X線像でステム周囲の全周性骨透亮像と沈下が認められている.骨折部の骨癒合は得られたものの骨折とセメント連続性の破綻がステムの弛みをきたした原因であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004