発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202437
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病歴上,明らかに脊髄症を呈し,著明な脊髄圧迫を認めた解剖実習用死体7例(71-88歳)を対象に,頸髄の病理学的所見について検討した.また,脊髄を摘出してC1-L5までの脊柱を矢状断し,骨棘部分などの脊髄を圧迫する要因を検討した.頸椎症性頸髄における頸椎および頸髄の肉眼的所見は,全例で脊髄が著明に変形し扁平化を認めた.頸椎症性頸髄症は脊椎症性の突起物と脊柱管狭窄による圧迫が主病因と考察した.また,この圧迫により,灰白質と脊髄横断面積および前角細胞の萎縮と減少,空隙形成を認めた.なお,ほとんど変形を認めない脊髄分節に,脊髄障害を認めたが,二次的に発生した循環障害が主な要因と考察した
©Nankodo Co., Ltd., 2005