発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013191389
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63歳女。59歳時に右腎梗塞、慢性心房細動の既往があり、ワルファリンカリウムを内服していた。約1ヵ月前に肺炎を発症し、前医で抗生物質の処方を受け症状は改善した。約2週間前に左股関節から臀部に疼痛と痺れが出現し、非ステロイド性抗炎症薬が処方されたものの症状増悪した。CTで左後腹膜~鼠径部にやや高濃度の腫瘤性病変を認め、MRIでは左腸骨筋内に液体貯留を疑うT1強調像で低~等信号、T2強調像で等~高信号を呈する腫瘤性病変を認めた。MRI脂肪抑制併用最大値投影画像では左腸骨筋内に輝度不均一な占拠性病変を認め、左大腿神経が右側へ圧排されていた。ワルファリンカリウムを中止し、病変部をエコーガイド下に穿刺したところ淡血性の液体を吸引したため、腸腰筋内血腫と診断して血腫除去術を施行した。術後経過は良好で、術後10ヵ月の現在、血腫および麻痺は消失している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013