発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004248926
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87歳女.腸腰筋血腫に高熱および高度な炎症所見,骨盤骨折を合併した.培養検査は陰性であり,先行感染の有無も不明ではあるが,熱型や炎症所見から血腫になんらかの形で感染を合併したものと推測された.臨床経過より当初は原発性または結核による二次性の腸腰筋膿瘍を考えた.しかし,CTでは内部に石灰化と思われる高吸収域を認め,MRIではT2強調画像で内部が不均一であることなどより腸腰筋血腫を疑った.腸腰筋血腫と骨盤骨折の関係については,入院時のCT,MRIで連続性がなかったこと,造影にて腸腰筋血腫と皮下血腫および骨折部との交通を認めなかったことより,骨折は腸腰筋血腫の原因ではなく,特発性腸腰筋血腫に骨盤骨折および骨折による皮下血腫が合併したものと推察された
©Nankodo Co., Ltd., 2004