発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175557
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15歳男。体育の跳び箱で倒立前転し、背部から転落して左腰部痛、左下肢運動時痛、股関節ROM制限を認め、増悪して翌日受診した。左腰部の叩打痛と左下腹部腫脹・圧痛を認め、左股関節は外旋・屈曲共に45°のpsoas positionで、徒手筋力テスト(MMT)では股関節屈曲3、膝関節伸展4と低下していた。腹部CTで左腸腰筋に造影効果のない腫瘤を認め、MRIではT1強調画像で内部に一部不均一な高信号域を伴う90×60mmの腫瘤病変で、T2強調画像では高信号域の増強が認められた。骨折を伴わない腸腰筋血腫による大腿神経麻痺と診断し、安静目的で入院とした。3日後にしびれを訴えたが疼痛自体は軽減し、8日後の腹部CTでは血腫の増大は確認されなかった。10日後に症状は軽快して松葉杖使用で退院した。受傷後8週のCTで腸腰筋血腫は縮小し、症状も消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012