発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012360392
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81歳女。右坐骨神経痛を主訴とした。近医でトリガーポイント注射を3回施行されたが改善しないため当科に紹介され、入院となった。体温は38℃で、Freibergテストと下肢伸展挙上テストの結果はいずれも陽性であった。画像検査の所見は、入院直後のMRIでは疼痛の原因となるような病変は認められなかったが、第2病日のCTで梨状筋の腫大を認め、第9病日のMRIで梨状筋内に膿瘍形成を認めた。治療は入院直後から抗生剤投与を開始したが、第23病日のCTで膿瘍の増大を認め、抗生剤投与のみでは不十分と判断して、CTガイド下にドレナージチューブを留置した。しかし第36病日のCTでも膿瘍のサイズは変化していなかったため、外科的ドレナージを行った。これにより炎症所見は改善したが完全には鎮静化できず、経過中にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌やメチシリン耐性表皮ブドウ球菌が検出されたためリネゾリドを使用した。その結果、炎症所見は鎮静化し、第100病日のCTで病変の縮小が確認され、その後リハビリを行い軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012