発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002258138
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66歳男.研磨工勤務による振動病で労災認定され,リハビリ通院中である.誘因なく左臀部痛,左下肢痛が出現したため,入院した.SLRテストが陽性で筋力の軽度低下があることなどから腰椎椎間板ヘルニアを疑い,脊髄腔造影を行ったところ,L4/L5の椎間関節及び黄色靱帯の肥厚,L5/S左側の軽い椎間板の膨隆が認められた.硬膜外ブロックや理学療法を行ったが症状が改善しないため,左L5神経根の神経学的脱落所見及び画像診断から左L5神経根障害と考え,左L5神経根ブロックを施行した.症状は一時的に軽快し退院となった.しかし,退院後ふたたび症状が再発・増強したため,再入院した.骨盤MRIより腫瘍による梨状筋症候群を疑い,手術を施行した.術後,左臀部痛,下肢痛は消失した.術後約3年の現在,腰部脊柱管狭窄症に起因する腰痛は残存するが,日常生活に問題はない
©Nankodo Co., Ltd., 2002