発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009224970
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坐骨神経ブロックを主診断法として梨状筋症候群(PS)と診断し梨状筋切除術を施行した63例65肢(男35例37肢、女28例28肢、年齢28~88歳)を対象に手術成績を検討した。経過観察期間は平均12ヵ月であった。手術時間は平均45分、出血量は平均19ml、術後合併症9例で創部のつっぱり・肥厚9例、一時的な大臀筋力低下3例(重複)であった。術後成績を2群に分け、良群は最終経過観察時にvisual analogue scale(VAS)が5以下、不良群はVAS 6以上とした。入院期間中に腰部交感神経節ブロック(LSB)を行った症例は不良群とした。術後成績は不良に含まれた誤診4例を除いた59例中、良群は41例69%、不良群18例31%であり、年齢、罹病期間、仕事、発症誘因、脊椎病変の合併の有無、手術時間、出血量、術中異常所見および術後合併症の因子に両群の差はなかった。以上より本術は比較的低侵襲で重大な合併症も認められなかった。ADLに影響する坐骨神経痛を訴え、腰椎MRIで脊柱管内に圧迫病変を認めず坐骨神経ブロックで一時的に症状の消失が見られた場合はPSと判断して手術的治療の適応も考慮すべきと考えた。
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