発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076369
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梨状筋症候群に対する手術例について検討した。対象は手術を行った梨状筋症候群10例11肢(男性5例、女性5例・平均年齢55.4歳)で、罹患側は右7肢、左4肢、術後経過観察期間は平均3.8ヵ月であった。1)初診時のFreiburg徴候は陽性10肢、陰性1肢、症状は全肢で坐骨神経痛を呈し、9肢で神経症状(腓骨・脛骨神経症状5肢、腓骨神経症状のみ4肢)を認め、うち筋力低下のみ3肢、知覚障害のみ2肢、筋力低下・知覚障害3肢、深部反射低下・筋力低下・知覚障害1肢であった。2)術中所見でのBeaton-Anson分類はtype a 6肢、b 1肢、e 2肢、f 2肢で、梨状筋部での坐骨神経はいずれも扁平化しており、坐骨神経通過部での梨状筋内に腱様組織を認めたのは1肢(type e)のみであった。3)梨状筋遠位部での坐骨神経刺激による長潜時体性感覚誘発電位(L-SEP)測定では9肢中8肢にN20振幅低下が認められ、いずれも梨状筋切離後に消失していた。4)最終時での症状全快は7肢、症状残存は4肢であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006