発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002046557
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68歳男.4年前に胃癌にて幽門側胃切除の既往がある.1ヵ月ほど前より右臀部から右下肢への疼痛が出現し来院し,腰部脊柱管狭窄症の診断で外来にて保存療法を行ったが症状に変化はなかった.4ヵ月後骨盤CT・MRI所見から右梨状筋腫瘍が疑われ入院となり,その後急激な麻痺をきたした為,緊急手術を施行した.手術では,股関節後方アプローチにて進入し,大臀筋を反転すると大きく腫脹した梨状筋を認め,その直下に腫瘍と骨盤に絞扼された坐骨神経を認めた.坐骨神経は周囲との癒着が激しく,それを可及的に剥離して,腫脹した梨状筋を切離し,病理組織学的診断を行った.その結果,梨状筋腫瘍は中分化腺癌で胃癌転移と診断された.術後,右下肢の麻痺と知覚低下は改善されなかったが,下肢痛は軽減した
©Nankodo Co., Ltd., 2001