Japanese
English
臨床経験
解剖学的破格を伴った梨状筋症候群
Piriformis Syndrome with Anatomical Variation
朝田 滋貴
1
,
板金 寛昌
1
,
野中 藤吾
1
,
大谷 和裕
1
,
福田 寛二
1
,
浜西 千秋
1
Shigeki Asada
1
1近畿大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kinki University, School of Medicine
キーワード:
piriformis syndrome
,
梨状筋
,
anatomical variation
,
筋異常
Keyword:
piriformis syndrome
,
梨状筋
,
anatomical variation
,
筋異常
pp.1535-1537
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902876
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抄録:梨状筋症候群は坐骨神経の絞扼性疾患であり,様々な発生機序が論じられている.今回,梨状筋の解剖学的破格を伴った梨状筋症候群を経験したので報告する.症例は53歳女性.右足関節骨折にて近医でギプス固定を施行されたが,杖を使用せずに歩行していたところ,腰部から左下肢かけての疼痛が出現した.腰部単純X線像やMRIで異常を認めず,右股関節内旋時に殿部から下肢にかけての放散痛および坐骨切痕部に圧痛を認め,梨状筋症候群と診断した.保存的治療に抵抗性を示したため手術治療を行った.術中,梨状筋に解剖学的破格を認め切離術を施行した.術後,症状は軽快した.本症例は,梨状筋および坐骨神経などの坐骨切痕部の解剖学的破格が基礎となり,ギプス固定による患肢の異常な荷重動態が原因になっていると推測された.
梨状筋の解剖学的破格を伴う梨状筋症候群を経験した.
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