発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012350829
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62歳男。右股関節痛を主訴とした。交通事故にて救急処置を受けた後、骨盤骨折の手術目的で転院となり、画像所見ではJudet-Letournel分類の右寛骨臼両柱骨折、腸骨翼骨折と内板転位19mmを認めた。保存的治療では治療困難と判断し、右大腿からの直達牽引の後、modified ilioinguinal approachを用いて寛骨臼骨折の整復内固定を施行した。合併症は認めず、転位の残存は1mmと良好な整復が得られ、術後7ヵ月で良好な骨癒合を確認した。本術式は従来のilioinguinal approach、modified Stoppa approachに比べてより良好な整復位の獲得と合併症の低減が期待でき、寛骨臼複合骨折に対する整復内固定術として有用な前方アプローチであると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012