関節周辺骨折 最近の診断・治療
股関節 大腿骨頸部骨折に対して通常の手術器械を用いて行う最小侵襲人工骨頭置換術 5cm以下の後側方アプローチ手技
平中 崇文
1
,
蓑田 正也
,
西澤 勇一郎
,
奥町 悦子
,
飛田 祐一
,
上本 晴信
,
辻 充男
1愛仁会高槻病院 整形外科・関節センター
キーワード:
外科用器具
,
大腿骨頸部骨折
,
最小侵襲手術
,
失血-外科
,
治療成績
,
股関節置換術
,
手術時間
Keyword:
Femoral Neck Fractures
,
Surgical Instruments
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Operative Time
pp.116-121
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044647
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大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術(BHA)において、後側方アプローチ(PLA)を低侵襲で行う手技を紹介し、同手技によるBHA 11例(A群)と同時期の通常切開BHA 11例(B群)を比較した。A群の皮切長は平均4.9cmで、8例は5cm以下であった。手術時間はA群平均90.7分、B群91.8分、出血量はそれぞれ401ml、406ml、在院日数はともに28日で、両群間に差はなかった。また、脱臼、創治癒遷延、感染などの合併症はなく、インプラントが内反設置となった例や、著明な脚長差が生じた例もなかった。本手術手技は特別な器械を要さず、通常切開のBHAから無理なく移行でき、特有の合併症もない有用な低侵襲手技であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009