発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175558
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84歳女。約25年前から左膝関節痛があり、歩行中に轢音と共に左下腿部痛および左膝関節部痛を自覚し、左脛骨骨幹部骨折の診断でギプス固定を受けたが骨癒合は得られなかった。左膝は大腿脛骨角160°の外反膝を呈し、X線で外側の大腿骨、脛骨の骨欠損を伴う外側型の変形性膝関節症を認め、脛骨近位骨幹部に骨折と周囲の仮骨形成がみられた。高度外反膝変形および脛骨疲労骨折遷延治癒と診断し、受傷91日で手術を行った。まず骨折部を展開して整復を試みたが可動性に乏しく困難で、腓骨を近位端から約13cmの高さで部分的に切除し、良好な整復位が得られた。次いで大腿骨および脛骨とも髄内アライメントロッドを使用してrotating hingeタイプの人工膝関節をセメント固定し、膝関節機能を再建した。脛骨側はロングステムを髄内に挿入して骨折部を固定し、周囲に膝関節から切除した骨を移植した。術後4ヵ月経過し、骨癒合は良好で疼痛なくT字杖歩行可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012